英語のことわざ
Pride goes before a fall.
驕る平家は久しからず。
何でも順調にいっている時、人はつい高慢になって調子に乗ってしまいがちですが、それを戒める諺です。
私について言えば、今まで人生において一度もうまくいったことがないので、(あるいはそれに気付いていないので)一度くらいは「驕る平氏」になってみたいという気持ちで、この年になっても必死にいろいろなことを画策しているのですが、一向に上向かないのです。でも滅んじゃうよりいいかもしれませんね!
[意味]
なかなか訳すのが難しいですね。「驕りは滅亡の前に行く」では何のことかわかりませんし、「破滅の前に驕る気持ちが現れる」ということでしょうか。戸田豊氏著の「現代英語ことわざ辞典」では「傲りは滅びに先立つ」とありました。
Pride comes before a fall.(驕りが滅亡の前にやってくる)というのもありましてこっちの方がしっくりいきますね。
[語句]
Pride 高慢、うぬぼれ、誇り、自尊心
Fall 滅亡、崩壊、 その他 秋、落下、転倒など意味多数
[出典]
旧約聖書
[例文]
Tom: I’m the best student in my math class. I’m sure I can pass the exam without studying very hard.
トム:(数学のクラスで僕は一番だ。あまり勉強しなくたって試験にパスできると思うよ。)
Mike: Be careful. Pride goes before a fall, you know.
マイク:(注意しなよ!驕る平家は久しからずっていうからね。)
[平家物語の冒頭]
琵琶法師の平家物語の第1文「祇園精舎の鐘の声」は私でも知っています。でも2,3行後にもう「おごれるものは久しからず」が出てくるのですね。また、それからすぐ後に秦の大悪宦官「趙高」(ちょうこう)、や前漢と後漢の間の大悪人の「王莽」(おうもう)も,そして「玄宗皇帝」や「楊貴妃」の時に活躍する私の好きな混血の悪漢「安禄山」も出てくるのですね。日本で悪名高い「平将門」もすぐ出てきます。イヤー参ったなあ。大学受験で習ったはずなのに全然憶えていません。無知とは恐ろしいものです。2,3ページ読みましたがやはり名文ですね。ネットを参考に私なりに3,4行訳してみます。間違ったらごめんなさい。
<原文> 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。
<現代語訳> 祇園精舎の鐘の音は、世の中に不変のものはないというどこか物悲しい響きがします。
<原文> 娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす。
<現代語訳> 娑羅双樹の花の色は、勢いあるものも必ず衰えるという道理をあらわしています。
<原文> おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
<現代語訳> 高位高官となって驕っている人たちも長くはありません。春の夜にみる夢のようなものです。
<原文> たけき者も遂にはほろびぬ ひとえに風の前の塵に同じ。
<現代語訳> 強い者もしまいには滅ぶものです。ちょうど風に飛ばされるごみのように。
<原文> 遠く異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽
<現代語訳> 遠く異国に目を移すと秦の趙高、漢の王莽。
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インターネットを参考に語句を拾ってみます。
祇園精舎 インドにあるお寺の名前
諸行無常 世の中の事物・現象は常に移り変わり、不変のものはないこと。
娑羅双樹 (しゃらそうじゅ)花の名前、ツバキ科
たけき者 「猛き者」と書き、権力や腕力をふりかざす者
異朝 中国の王朝
とぶらへば 「訪へば」と書き、「訪れる」の意味
[補足]
「祇園精舎」を京都の祇園にあるお寺か何かと思っていましたが、ネットではインドのお寺とありました。琵琶法師が京都の祇園を通りかかった時に、聞いた鐘の音と思っていたのですが、、、