実践英会話教室24

金環日食

環日食

金環日食

今回は先月21日に日本で観測された金環日食にまつわる英語についてお話しようと思います。金環日食は英語で ”annular solar eclipse”、”annular eclipse of the sun” といいます。

annularは「環状の、輪状の」という意味で、語源はラテン語のanulus(輪)です。「1年の、年1回の」という意味のannualと似ていますが、こちらの語源は同じラテン語ですがannus(年)です。

solarはソーラーシステムなどでもおなじみ「太陽の」ですね。eclipseは「(太陽・月の)食」という意味です。語源はギリシャ語εκλειπσισ(捨てる、置き去りにする)ですが、それがギリシャ語 → ラテン語 → 英語と使われるうちに現在の「覆い隠す、凌ぐ」という意味になったようです。天体が他の天体を覆い隠す→ 食、というわけです。

今回の金環日食はアメリカ西部でも観察されましたが、アメリカの新聞では ”Ring of Fire” という表現が多く見受けられました。Ring of Fireは本来は「環太平洋火山帯」という意味です。しかし直訳すれば火の輪ですし、annular solar eclipseという天文用語よりキャッチコピーとして優れていることから金環日食の表現によく用いられます。Ring of Fire が金環日食にも使われることがあるため、環太平洋火山帯のことをあえてPacific Ring of Fireといったり、金環日食のことを ”Ring of Fire” と、括弧つきで表現したりすることもあるようです。

ここまで少し硬い話をしましたが、最後にこの天体現象の名前を引用した音楽や映画をご紹介しましょう。80年代のボニー・タイラーのヒット曲のタイトル、”Total Eclipse of the Heart” は、total eclipse of the sun(皆既日食)をもじったものです。「私の心はすっかり隠されてしまった、閉ざされてしまった」というわけで、邦題は「愛のかげり」。アラン・ドロン主演の映画には ”Eclipse” があります。邦題は「太陽はひとりぼっち」。人間の心の蝕を、自然界の美しい蝕にかけて皮肉混じりにつけられたタイトルです。

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